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 ――ん? これは新しいぞ?

 翌朝、目覚めたら目の前にあったのはパステルカラーの紫色。
 トクントクンって心地いい音がしてて……。

 えっと、昨日はどうしたんだっけ?

 灯くんが今日はシャワーにするからって言って
 本当にすごい速さでお風呂から出てきて
 カラスの行水だと思って
 灯くんのことを小鳥だと脳内変換して可愛いなと思って
 口には出さなかったけど、パステルカラーな紫色のパジャマが似合ってるなと思って……

 私がカモミールのお風呂に入って、ちゃんとお揃いのパジャマ着て出てきたら

「雪ちゃん、着てくれたんだ? 嬉しいな」

 とか灯くんが笑ってくれて

「雪ちゃん、一緒に寝ようよ」

 って言われて、さすがに悪いからと思って断ってソファで寝たんだけど。

 灯くんも何も言わなかったから、納得してくれたんだと思ってた。

「おはよう、雪ちゃん」

 自分の頭の上のほうから灯くんの声が聞こえた。
 やっぱり、私、灯くんに抱きかかえられるみたいに寝てたみたい。

「ふふっ、寝癖ついてる」

 身体を少し離して、灯くんの指が私の髪に触れる。

「お、はようございます」

 ――ひぃぃぃぃ! やっぱり顔がいい! 魂取られる!

 見えてなかっただけで、ちゃんと見てみたらやっぱり寝起きなのに灯くんは天使みたいに綺麗な顔をしていた。ううん、本当に天使なんだった。

 じゃなくて、このパターンは本当に新し過ぎるって! 
 灯くんまで一緒にソファで寝てるじゃん! ベッドの意味!

 だから、こんなふうに私を抱きかかえるように寝てたんだ。