こ、ここは正直にお話ししよう。

「あの、実は……ボクの番とか言って灯くんが東条くんとバトってるから、俺、サンドバッグにされるのかと。なんか闇くんだって光くんだって悔しがってたし」

 なんか話してみたら自分でもよく分からないこと言ってるなと思った。

「なに言ってるの? ボクと晩くんが雪ちゃんサンドバッグにするために取り合ってると思ったの?」

 ん? 取り合うってなんだ? まあ、いっか。

「そんな感じです。だって東条くん、たぶん、俺のこと居なくてもいいおもちゃだと思ってるし」

 むしろ邪魔だと思われてるんじゃないかな、と思う。
 東条くんだけじゃない。
 闇くんだって、光くんだって、灯くんだって。
 親衛隊は先生が勝手に決めただけだから。
 四人は私なんかに守られなくても強いもん。

「ふっ」

 私の横で、灯くんが笑った。

「どれだけ鈍感なのさ、面白すぎるんだけど、どうしたら、そんな思考になるの?」

 笑いながらも少し怒ったように灯くんが言う。

「へ?」

 ――それって、私の考えが違うってこと?

「ボクたち、どっちかって言ったら、雪ちゃんのこと好きだよ?」

 天使の光の中に少し黒いものが見えた気がした。

「生徒会のみなさんが、そんなことあります?」
「ボクらには雪ちゃんじゃないとダメなんだよ」

 私の言葉にかぶせるように灯くんが言った。

「こっち来て、そんな勘違いする悪い子にはお仕置きだよ」
「え?」

 ――お仕置き……?