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 ――と、整えられてしまった。

 寮のエントランスに集まった四人の前で一人用のソファに座らされて、私はいま凝視されている。

「雪ちゃん、可愛い」

 私の前に膝をついた灯くんが私の両頬をぷにぷにと揉む。

 視界がクリアすぎて、なんだか恥ずかしい。
 スースーする。

 ボサボサだった髪は綺麗に切られて、キューティクルツヤツヤになったし、メガネも没収されてしまったし、制服も何故か天使側のブレザーでサイズが合ったやつに新調されたし。

「うん、まあ、地味なのは地味だけど……」

 闇くんは私の素顔を見てからなにかおかしい。
 ずっと、ぶつぶつ言ってて、心配になる。

「君は本当に悪魔なのか?」
「な、何言ってるんですか、俺は悪魔ですよ」

 光くんの言葉にどきりとさせられて、焦って言い返した。
 あぶないな、なんてこと言うんですか。

「すまない、あまりにも見た目が天使過ぎて」

 彼もまるで寒さに耐えるように自分の身体をぎゅっと両手で抱えながら震えていて、心配になる。

「可愛さを見出したのはボクなんだから、雪ちゃんはボクのだよ」
「ととっ」

 灯くんに手を引かれて、立ち上がった瞬間、転びそうになった。
 そして、気付いたら私は灯くんの腕の中にいた。