「え?」

 戸惑う私と

「ほう」

 すばやい動きで私のメガネを奪い、もさっとした前髪を上に上げる東条くん。

 ――しま……。

 私の顔を見て、一瞬、四人が固まった。

 ――お、女だってバレた?

 一緒に固まる私。

 時が再び動き出したとき

「こんなのアリかよ」

 闇くんは、そんなことをぼそりとこぼして、まだ固まっていたし

「爺や、一流の美容師、今から連れてきて」

 急にスマホを取り出して、爺やとやらに電話をし始める灯くん。

「お前ら、ホームルーム、サボるぞ」

 真顔で東条くんは私を肩に担ぎ上げて

「うん、そうしよう」

 光くんは私のメガネをかけて、君に返す気はないという感じで先頭を歩き始めた。

 もしかして、これってあれですよね?
 あれな流れですよね?

「やめ、やめてくださいぃぃぃい!」

 私は東条くんの肩で暴れた。

 お願いだから、小綺麗にしないでください!