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「あの……」

 一日かかった合同授業が終わって、校舎に戻るときに私は四人に挟まれて歩いた。
 加賀美先生も何も言ってなかったし、あれでよかったのでしょうか。

「……」

 無言の東条くん、怖いです。

「お前は頭脳派だもんな」

 闇くん、それはどんなフォローですか。

「雪くん、ド派手にいけて嬉しかった?」

 光くん、目が潰れるかと思いました、私。

「これからもキミのことはボクが守ってあげるからね」

 いつも朝に私を置いていく人が何を言ってるんですか、灯くん。

「みなさん、なんで俺に力を貸してくれたんですか?」

 この感じ、私を人間だって疑ってるわけじゃないんですよね?
 たぶん、すごい低能なやつだと思われてるんですよね?

「お前が周りのやつらに馬鹿にされそうになってたからだよ」

 え、そんな素直に優しいこと言ってくれるんですか、東条くん。

「ありがとうございます」

 私は照れながら、ぺこっと頭を下げた。

 四人が私に優しくしてくれる理由が未だに分からないけど、この人たちが味方してくれると心強いな。

「というか、ボク、思ったんだけど」

 突然、灯くんが足をピタリと止めた。
 それに合わせて、私を含めたみんなの足が止まる。

 そのまま、灯くんが私の前に立って

「雪ちゃんが周りから馬鹿にされるのってさ、地味だからじゃない?」

 と言った。