そう思った瞬間だった。

 ガキンというすごい音がした。
 金属って割れるんだ? っていう感じの音。

 次いでガラガラと開かれていく倉庫の扉。
 こんなに早く開け直して、忘れ物でもしましたか? と言いたくなったが、扉を開けた人物は門松さんではなかった。

「親衛隊なのにオレに守られてどうすんだよ、バーカ」

 冗談まじりに言う闇くんだった。

「闇くん」

 彼に手を引かれて、外に出てみると東条くんと西園寺くんと灯くんがいた。
 東条くんは門松さんを後ろ手に拘束していて、当の彼女本人は目の前に現れた生徒会のメンバーを見て、あわあわと唇を震わせていた。
 なるほど、憧れを前にすると人ってこうなるんだ。

「……なんで、ここが?」

 門松さんのやっと出した一声はそれだった。

「そいつ、俺たちの首輪ついてるから」

 東条くんの視線が私の腕に向く。

 ――やっぱり、この腕章、首輪なんじゃないですかぁ!

 どういう仕組みか分かんないですけど、たぶん、四人の魔力と加護か何か練り込んで作ったんですよね? これ。

「君は一体、何がしたかったの?」

 爽やか王子様の西園寺くんが尋ねる。
 彼の言葉になら、彼女は白状しそうだ。

「私、白鳥のこと、人間だって密告したのに、確定されなかったの!」

 あっさり白状した門松さんは悔しそうだった。

「馬鹿か、雪は男だぞ?」

 東条くんがぼそりと吐き出す。

「でも、一人だけ親衛隊とかいって生徒会に近付いて、ずるくて……」

 加賀美先生の言った通り、私、妬まれてたんだ。
 ずるいからってだけで人間だって密告されて、危ない目に遭った。
 悔しいのは私だ。

「もしかしてさ、キミが人間なんじゃないの?」

 突然、そう言ったのは灯くんだった。