しかも、今の言い方だと私が誰かと同じ部屋になるって。

「待ってください。部屋ならいっぱい……」

 そう思って吹き抜けになってるところから上と下にある部屋を見る。
 あ……、と思った。

「気付いたか? 四部屋しかねぇんだよ」

 東条くんが冷たい声で言う。
 それは俺も嫌なんだよ、と言っているようだった。

「ちょっと一瞬いいですか?」

 右手の人差し指を立てて、言う。愛想笑い付きで。

「あの、ほんと一瞬なんで」

 じりじりと後ろに下がって……私は寮を飛び出した。

 ――生徒会メンバーと寮まで一緒なんて聞いてないんですけどぉぉぉおぉ!

「加賀美せんせいぃい、寮の部屋まで彼らと一緒なんて聞いてないですよぉぉぉ?」

 私は腹の底から唸るような声で加賀美先生に詰め寄った。
 自作の休憩室でお休みになられてる場合じゃないんですよ!

「ん? 腹でも減ったのか? 食堂で飯でもおごってやろうか」

 ソファに寝そべった加賀美先生が私の頭を乱暴に撫でる。

「そんな犬や猫みたいに接しないでください!」

 ぺちっと先生の両手を叩いて、私は立ち上がった。
 私は真剣なのだ。
 だって、男四人の中に女の子一人って……。
 バレてないからって……。

「まあまあ、行こうぜ。腹減ってたら話も出来ないだろ」

 暢気に立ち上がって、先生が部屋から出ていく。
 私はとてとてとその後を追った。
 お腹減った……。