「お前が男でもいい。……お前の秘密、俺が絶対に守ってやる。だから、俺のそばに居ろ」

 私を後ろからぎゅっと抱きしめて、彼は優しい声で言った。

 艶のある黒髪、漆黒の瞳、彼は悪魔だ。

 私は人間で女で、それはバレてはいけなくて……。

 ――私、なんでこんなことになったんだっけ?