「あのさー私の人生じゃん? 整形もあくまで目標だし、そんなに本気で怒らないでよ」

「今まで整形までは言わなかったから心配なんだよ。サエは自分がどれだけかわいくて、魅力的か分かっていない。とにかくかわいい。目も鼻も八重歯もすべてがめちゃくちゃかわいい」


ああー……もう。毎日のようにかわいいと言われ、成長してきた。既に琉斗くんからは言われ慣れてしまっている私はさらに大きくため息をつく。


「……本気でかわいいと思ってくれているのは家族と琉斗くんくらいだよ。ありがとう」

「俺、怒ってるんだよ? 分からないなら教えてあげる」

「え?」


テーブルを挟んで前に座っていた彼が立ち上がり、私の後ろに来てストンと座る。

後ろから細長い両腕がのびてきて、ぎゅっと抱きしめられた。

「ちょっと!?」

「ちっちゃくてかわいい。俺の腕にすっぽり入る」


私の顔に琉斗くんの髪がかかる。程よいいい香りがする。そんなことを考えていると、優しく私のアゴと頬をつつんで顔を上にあげられ琉斗くんと目が合う。

さすがにこの体勢は恥ずかしい! 密着しすぎ!!