――思えばあの日。



 あの場所に立ち寄ったことが、全ての始まりだった。



 彼らにとって私は光で、花のように甘美な存在。
 彼ら以外のナニカにとっても、とても手に入れたい存在。



 ――満月の夜。



 人ではないナニカと遭遇してから、全てが変わった。



 彼らは自分を吸血鬼と名乗り、私と同じだと言った。
 訳がわからないまま、私は目の前の出来事を理解するのに精一杯だった。