「ショーン!」
「おい、ショーン。少しは聞いてやれよ」
見かねたレッグのメンバーが、ショーンに言ってくれた。
ショーンは「はぁっ」って、わざとらしい大きなため息をついた。
「なんでって、実力もないくせに生意気だからだよ」
「え……」
「たいしてダンスも上手くないくせに、大先輩の俺を呼びすてにするなんて、失礼なんだよ。お前」
たしかに先輩を呼びすてにするのは失礼かもしれないけど、この前はそんなこと言わずにニコニコ笑ってたのに。
こんなの完全に嫌がらせじゃない……。

——『俺のダンスの目標はショーン。演技の目標はレオさんなんだ』

拓斗は、あんなに目を輝かせていたのに。

「……じゃあショーンさんって呼んで、敬語にしたら共演してもらえるんですか?」
いつも強気な拓斗の意外な発言に、わたしも理澄くんもびっくりして顔を見合わせた。
「きっとこれでショーンさんの機嫌も良くなるよ」
なんて、理澄くんは安心してたんだけど……。