「「ごちそうさまでした!」」

お昼が終わると、拓斗と理澄くんはさっそくリハーサルに呼ばれた。
「じゃあ、わたしお弁当箱洗ってくるよ。果音は休んでて」
莉子が立ち上がる。
「一緒に行こ。莉子、洗う場所わからないでしょ?」
「そうだった」
莉子は「てへっ」って舌を出す。
二人で、スタジオを出た廊下にある水道に向かう。
「それにしてもすごいね、本当にフィリックに会えるなんて」
「う、うん」
「で、肝心のショーンには会えたの?」
「あーそれは……」
莉子にはまだ、ショーンの性格が悪いって話はしてない。
「ちょっと、そこのお団子」
突然、後ろから莉子が呼ばれた。誰がどう聞いても悪意のある呼ばれ方で。
振り向いたら拓斗たちのドラマに出ている女の子が三人、腕組で立っていた。