「この記事、ママも見てるのかな……」
ため息をついたところで、後ろから来た人がわたしにドンッとぶつかった。
その拍子に、スマホを床に落としてしまった。
「わー僕のスマホが!」
「ごめん理澄くん!」
お弁当のときといい、なんだかこんなことばっかり。
「あ! すまない!」
そう言ってスマホを拾い上げてくれたのは、レオさんだった。
近くで見るとショーンくらい背が高くて、脚なんかも長くてスラッとしていて迫力がある。顔は全然見えないけど。
彼はスマホの画面をチラッと見た。
「……あいつ、まだこんなことしてるのか」
「え、レオさんて、ショーンさんと知り合いなんですか?」
理澄くんが質問する。
「あー……昔、少しね」
なんだか歯切れの悪い言い方。
さっきのつぶやきといい、少なくともショーンと仲が良いってわけではなさそう。
まあ、拓斗もショーンは性格が悪いって言ってたしね。
「あ! レオさん! おはようございます」
拓斗が出演シーンの撮影を終えてわたしたちのところにやって来た。