「アイドルだったなら、ヘアメイクさんと仲良くなる機会があっただろうし。それで果音ちゃんのママもヘアメイクに興味がわいたとか」
「あ、そっか……」
そういう可能性もあるんだ。そっちの方が大スターのショーンより現実的かも。
性格の悪いパパより、そういうパパのほうがうれしいし。
「俺はショーンの可能性が高いと思う」
黙ってオムライスを食べていた拓斗くんが口を開いた。
「なんでそう思うんだ?」
「果音さ、最初にショーンが父さんだって思ったときは動画サイトを見てたんだよな?」
「はい」
「そのサイトって果音の母さんのアカウントで見てるんじゃないのか?」
「え? そうですけど……」
中学生は会員登録ができない動画サイトだから、いつもママのアカウントでログインして見ている。
「それで、たまたまレッグの動画が流れてきたんだよな? いつもは女の子のアイドルしか見てないのに」
わたしはコクリとうなずいた。
「それって果音の母さんがレッグの動画を見てたから、おすすめ動画で出てきたってことじゃないのか?」
「あ……!」
そっか。そんなこと全然考えもしなかった。