「あの……グループとかユースとか、何なんですか?」
わたしの質問に、二人は顔を見合わせた。
「君、ひょっとしてうちのタレントじゃないの?」
「そんなわけないだろ? あんなところにいた男子が一般人なわけないじゃん」
ん? 今、〝男子〟って言った?
「わたし、男子じゃないんですけど」
「え?」
たしかに、キャップにパーカーにショートパンツって男の子に間違われても無理ないかもしれない。
そう思って、キャップを外してみせる。
髪がハラリと下りる。
髪、ボサボサになってないかな、なんてちょっと心配になる。
「え……かわ——」
「君、女の子だったんだ! かわいいね」
リズムくんがきれいな顔で微笑みかけるから、思わずドキッとしちゃった。
〝かわいい〟なんて男の子に面と向かって言われたこともあんまりないし。
「おいリズム、女子はマズいだろ」
タクトくんがなんだか不機嫌そうな声で言う。
マズいってどういう意味だろう。
「おい、お前まさか俺らの追っかけじゃないよな?」
「え? 追っかけ? なんで?」
さっきからずっと意味がわからなくて、キョトンとしっぱなしだ。