リビングのソファに座って、話をすることになった。
「ママが昔、アイドルだった話は何度もしてると思うけど」
ママの言葉に「うんうん」とうなずく。
「この前も言ったみたいに、同期デビューがレッグだったの」
「ショーンと同期ってことだよね?」
ママは首を横に振る。
「彼だけじゃないの。怜音くんも、昔はレッグだったのよ」
「え! そうだったの!?」
レオさんはなつかしそうに笑ってる。
「それでね、よくお仕事で一緒になるうちに、お互い好きになっちゃったの」
ママにもそういうときがあったんだ。
横目にチラッと拓斗を見ちゃった。
「それで、怜音くんは結婚しようって言ってくれたんだけど……」
「ちょうどその頃、僕はレッグを辞めて俳優として海外進出することに決めたんだ」
レオさんがレッグのメンバーだったなんて全然知らなかった。
「拓斗は知ってた?」
拓斗も首を横に振った。
「レッグだったのは、ほんの短い期間だったからね。まあそれで海外に行くし、響ちゃんにプロポーズして一緒についてきてもらうつもりだったんだけど、彼女は一方的に僕の前から姿を消してしまってね」
どうしてだろう。ママは絶対今だってレオさんのことが好きなのに。