すっごく下手くそな謝罪だったけど、それだけ謝ることに慣れていない人なんだってわかって、この謝罪はすっごく大きなできごとなんだってわかった。
パパかもしれない人だって思うと、なんだかフクザツだけど。
「なあショーン、またダンス教えてよ」
拓斗が前みたいに話しかけると、ショーンの顔が安心したようにパァッと明るくなった。
それを見たら、なんだか憎めない人だなって気もした。
「ショーンさん」
わたしもショーンに話しかける。
「仲直りのしるしに、今日ボクたちと一緒にお昼食べませんか? お弁当があるんです」
「え? 昼は高級レストランのランチに——」
「ショーンさん!」
また、マネージャーさんが耳打ちする。
どうやらわたしたちと一緒にお弁当を食べた方が、周囲の印象が良いと言っているらしい。
「しょうがねえな。一緒に食べてやるよ」
なんかちょっと引っかかる態度だけど、それでもショーンの反応が見られるチャンスをゲットできた。

そしてお昼になった。
「あれ? そういえば今日、レオさんっていないの?」
もしよかったら、レオさんもまた一緒にお昼……なんて思って準備してきたんだけど。
「なんか今日はメイクにいつもより時間がかかってるらしい」
「メイク? 顔がほとんど見えないのに?」
最終回だから気合いを入れてるのかな?