選抜に入らなかった私や、遥ほかのクラスメイトも先生への応援でものすごく盛り上がる。
この学校の伝統みたいなものだ…女性の先生でもちゃんと走るんだ。
私は大きな声で応援は苦手だから心の中で頑張ってくださいと先生へ気持ちを募らせる。
やっぱりちゃんと足の速い先生は、先生たちの中で1番でクラスの子にバトンを渡した。
そして、走り終えてすぐ観覧席に戻ってくる。
先生は息を切らせながら私の元に。

「ごめん、俺の飲み物とって…つっかれた…」

「コレですよね、はい。」

「先生、美羽に飲み物持たせてるとか〜」

「うるせーよー…俺頑張ったんだからいいでしょ」

「その理由になってない感じ…美羽は今日の天気でもう疲弊してるんだから使わないで〜」

「え、大丈夫か?体調悪いなら救護のとこ連れてくけど」

「いや、それは別に…遥〜余計なこと言わない!暑いけどまだそんなじゃないからね!!」

先生、会話減らすって言ってたのに…あんまり変わってないというかむしろ近い距離なの…

「斎藤、でも体調悪くなったら早く言えよ?俺じゃなくても西川にでも」

「私の場合言わなくても美羽のことならなんでも分かるけどね」

ドヤ顔してるなぁ…というかその感じ私の方がわかってますよ、みたいに言ってて思わずクスッと笑ってしまった。それを2人に見られたのか

「何に笑ったの、美羽?」

「先生と遥の会話に思わず…ごめんなさい。」

「でも、元気だってわかるからいいや。」

先生のそう言うそんな姿に…カッコイイって口から出そうになる。