「切るの名残惜しくなるんだよな……また電話すりゃいいのに」

「先生は、たくさん電話したい人ですか?」

「会えない時は電話してたら近くにいるみたいに感じられるじゃん?……俺それがいいんだ。
もう会えないし電話出来ないみたいな恋はうんざり」

……そうだよね、先生には新しい恋なだけで
今までの経験もあるんだよね。不意に言った先生の言葉に私は相手が大人の人なんだってそう感じた。

「斎藤、俺さ…自分のために動くくせがあるから嫌なことは嫌ってちゃんと言ってくれるか?……俺もちゃんと気にはしてるけど気が回らないそんな時は言ってくれ」

「先生は、いつだって気にしてくれてますから大丈夫です。夏休みもう少しだけ続きますね」

私の切り出しに、先生はあぁ。まだ寂しい時間は続くけどそしたら学校で顔合わせられる。
そう言ってた。週末電話するからなって言って

「さすがに切らないとお前が寝れなくなっちまう。長くてごめんな、おやすみ」

「あ、……は。はい。おやすみなさい」

まだ、この夜の挨拶に慣れることはないと思います。
電話が切れたあと、週末も電話できる喜びを噛み締めていた。夏休み明けたら……どう顔合せていいか分からなくなってる……多分今以上に、その前以上に緊張するんだろうな。
私は……とんでもないことになってるんだって自覚を今更し始めることになる。
先生と私の関係は……どうなって行くんだろう不安の中私はその先はその先でしか分からないから今は今を過ごそうって自分を無理やり納得させた。