「え?……先生、どういう」

「体調崩したりするから気になってみてるってあの時も言っただろ?」

「あ、そんな事言ってましたね。でもどうして私が悩んでるって思ったんですか?」

「斎藤、何かある事に1回考え込む癖があるだろ、それで思った。なんか思い詰めてるような雰囲気?そんなのを感じとった」

「……でも、それは……」

多分考え込むというか一旦飲み込むのは、先生の事だったりするんだろうから
言えるわけもない。言ったら、近づけない存在になってしまう……
それだけは避けなければならないから。

「ほら、その顔。俺間違ってなかっただろ?」

「……でも、これだけは解決させちゃダメなんです…」

こんなの、先生の話って言っているようなものだよ
おかしい話だよ……ダメって自分の中の良心が止めてる

「解決させちゃいけねぇ話って……どんなこと悩んでんだ……?」

それも言えないんだよねって、思いつつ笑って誤魔化そうとしたら
夕焼け、日が沈む所を見ながら先生は

「いつか、俺にもその悩み?話してくれないかな」

「……じゃあ、いつか。」

「約束したからな〜、お前が悩まなくていいように俺も協力出来ることはしてやりたい、な?」

そう言ってまた私を見る。先生は時間大丈夫かって聞いてくれた。スマホに見えた時間はここで1時間くらい話してたって告げていた。
帰らなきゃなって思ってじゃあ、また休み明けにと声かけようとしたら

「あれ、美羽?……何してんのここで」

「……え、お兄ちゃん?…また帰ってきたの?」

「そんな酷いなぁ、実家に帰るのいつでもいいだろ」

そんな私とお兄ちゃんの会話を微笑ましそうな表情で見ているのに気づいた。