「僕は、娘さんの担任に去年とそして今年も2年連続でさせて頂いています。
斎藤の本当になりたいものをこの1年で何となく僕はしれた気がします。」


そう、言い始めた先生は私が選んだ進路についてさらに話し始めた。私は何も口にせず、ただ単に聞き続けた

「その中で、今年の4月クラスに配った進路希望の用紙を直接一緒に確認しました。
最初、斎藤の字で書かれてないのでそれもちゃんと追求しました。
斎藤がなりたいものも、しっかり教えてもらいました。その時に、大学が嫌だから決めたとかそういうことでは無いことも確認しています」

先生は、そう言うけど、少しの嘘も入ってる。大学が嫌とかそう言うのは聞かれなかったけどね。
先生になりたいものもちゃんと話してないし……でも、先生はそれを嘘だと勘づかれないそのレベルではなしてる

「どの専門学校に行きたいかも本人から直接聞いていて、これはその学校の資料になります。
僕としてもこのクラスで1番頭いい斎藤には大学に行ってもらうのもひとつかもしれないですけど
それじゃ、斎藤の意思が無くなってしまうので」

な、斎藤って私に振ってくる。お母さんは少し怪訝そうな顔をしているけど
話を聞こうとしているそんな気がした。

「斎藤から、お母さんに言いたい話とかないか?進路のことで何も話せていないのならここで話してもいいと思うぞ」

先生はここに持ってきて、私から話をさせようとしてくれていたんだ……
私はお母さんにしっかりなりたいものと専門学校に行きたい話をした。