次の日、さすがにアレじゃ学校には来れないだろうと思っていたが、朝のSHRで教室に行くと斎藤はちゃんと来ていた。

「みんなおはよう〜……夏休みも近くなってくるから三者面談することになる。みんな親御さんの予定とか聞いておいてくれ。やる日程は今から配るから
予定を聞いてこの用紙に書いて貰えると助かる!」

俺が配るぞ〜って配っていく
このクラスも色んな奴がいる、就職、大学など専門系に進みたい人も
ちゃんと向き合いたいから俺は生徒に自分の進道が決まればちゃんと相談してくれと言っている。
朝はそれくらいで話を終えて、俺は職員室へ。
職員室にいると、割と頻繁に休み時間ごと色んな生徒が俺に声掛けてくる。
授業の話から部活、もっと今話すの?みたいな話まで
隣に座っているほかの先生もよく笑ってみてくる。
俺も職員室くらい静かにして欲しいけど
生徒には応えたい。その気持ちだけで、反応してしまう

「これと……あ、こっちは3年の分。俺のクラス分はこっちだから」

小さい声で独り言を言いながら授業の準備。
その時も、今日登校してる斎藤のことが頭をよぎる
……本当に大丈夫なのだろうか。
あと少しで夏休み、心配は尽きないけれど教師としてやれることをしてやりたくなった。

ほかのクラスの授業後に、廊下を歩いていたら斎藤が歩いているのが目に入る
……うん、大丈夫か?って声掛けたいところをちょっと我慢。もうほんと、心配するなってのが無理……
俺は教室に入る斎藤を見届けてから職員室へと戻った。