帰りの支度……って言ったけど、あいつ帰れるのか?
その体調でこの天気で、帰すのか?

「日高先生、か、帰ります。」

「ちょっと。帰る手段は?」

「この時間ならバスがあるかと……」

それなら気をつけて帰りなさい。そう伝えた
ここで送るって言ったら大変なことになる。だから俺はその言葉を飲み込んで
昇降口まで見送った。

斎藤は、フラフラした様子で帰ろうとしている。
俺は、ダメだと分かりながら……近づいて腕を掴んだ。
反射で動いてんだろうけど……。

「やっぱ、送る。このフラフラ見てられない」

俺は車の鍵を取りだして教員駐車場まで来るように伝えた。ここで付き添ってやりたいけど、誰が見てるか分からないからとりあえず。
駐車場、こっちだって手招きして斎藤を呼ぶ。
助手席乗りなって言って……内側から開けてやる
戸惑う?迷ってるのかなかなか乗ろうとしないから
早く乗らないと帰れねぇぞ〜って。

「お願いします……。」

「何緊張してんの、まぁ急に乗れって言われるのも緊張するか」

車を走らせる、斎藤に道案内を頼んで2人で話をしながら……軽くドライブ。

「斎藤、眠いか。」

「すいません、私……」

「いいけどさ。俺も学校に戻る予定無ければ少し長く走らせても良かったんだけどさすがにそうはいかないから、道案内頑張れるか?」

そなこと言いながら、俺は少しづつ斎藤に話しかけて
送り届けた。
学校に戻ると、何人かの生徒に先生どこ行ってたのって言われた。

「ちょっと用事だよ。お前ら次の授業あんだろ〜早く行きなさい」

斎藤を連れてたところは見られてないようだった。