そんな会話をしてから、先生の私に声かける回数が少し減った気がする。
普通のことなのに私は少し寂しく感じてしまった。
夏の暑い日、そんなこと考えながら授業を受けていた。水泳の授業を受けたくないななんて思いながらも
授業で泳ぐ自分…ほんと、泳ぎも平均以下な感覚だから
困るって思いながら、待つ間は直射日光を浴びている。
どの生徒も早く水の中に入りたい、出てるとヤダって言っていた。

「美羽、あんたはやめとく?」

「…どっちがいいのかもうわかんない」

暑いのもダメ、水泳が苦手…八方塞がりの状態で
10分だけ自由な時間がある中で飛び込み台の横に座って足だけ水につけていた。

「美羽、前の熱中症から正直ずっと回復してないでしょ」

「遥には分かる?…去年より暑いから回復しないまま体育とかでバテてるし眠気まで来る感覚」

「先生に言って先に保健室行ってたら?荷物持つの面倒なら私が持ってくし」

そんな、遥の言葉に頷いて先に上がろうとして立ち上がった時視界が揺れる感覚で立っていられなくなった
クラスで色んな噂している子も驚いた様子で声を出してた。遥に支えてもらって何とか着替えて
また、保健室へ移動しようとしたら日高先生に会った

「あれ、西川。と……斎藤?」

「先生!私じゃ美羽おんぶとか出来ないからお願いしたい!」

「今日って水泳だったっけ。髪濡れてるし……ぐったりしてんなぁ…わかった、保健室連れていくよ」

今は揺れるだけでしんどいけど、そんな事言えずに先生に抱き抱えられた。
普段なら嬉しいことも、またクラスの噂になることが嫌で、嬉しいなんてあまり考えられなかった