そんな日の放課後、遥が私に良かったねって小さい声で言ってくる。

「というよりさ〜私言ったじゃん。保健室に行くよって……」

「それはほんとにごめん、あの時は特に自覚もしてなかったの暑いなぁくらいで。」

「でも、重症じゃなくてよかったよ。」

そんな2人で会話してたら先生も後ろから入ってくる
お前らまだ帰らねぇのか〜って。

「先生が美羽の異変にいつ気づいたの?!」

「こら、西川、敬語使いなさい。まぁ俺が気づいたのは教室に入る時にはもう顔赤かったしな。見ておこうって思ったら、号令で倒れそうになったから。だよなぁって」

「すいません……」

「気づいてないのは問題だけど、酷くなくてよかったよ。今日は部活しないで帰ること。わかった?」

「は、はい」

「完全回復させること。少しでもしんどいならちゃんと休めよ?」

先生は、私にそうしてまた頭に手を乗せる。多分先生その癖があるんだと思う。
遥がちょっとニヤニヤしながら、私は部活行きますね〜って出ていった。
あいつは台風のように過ぎ去っていくなって笑っている先生。2人きりにしてくれた遥にお礼を言わないとね

「お前と西川、タイプ全然違うのに本当に仲良いよな」

「……遥が優しいだけですよ」

「そうか?去年から見てても2人の仲の良さは驚くほどだな。」

「そうなんですか?」

「教師から見たら、って感じだけどな。ほらお前も帰れ〜施錠するぞ教室」

たったこれだけの会話だけど。
去年よりもさらに話が出来ていて私は嬉しいです。
自分で、先生へ声をあまりかけられないのは変わってないけど。確実に去年より仲良く話せているかもしれない
そう思った。