「少し寝れるようなら寝てもいいわよ。でも水分補給はして欲しいから隣にペットボトル置いておくからちゃんと飲んでね」

「はい、ありがとうございます。」

私は水分補給しながら、安心感でウトウトし始めた
……少しだけ寝かせてもらおう。
熱中症かぁ……毎年なってる気がする……。
体強くしないとこうして授業休んじゃうから……
それが嫌で、なんとしてでも授業でようって思っちゃうんだよね。

気づいたら、30分ほど寝ていたようで、あと15分で授業が終わる。
日高先生にお礼も言わないとな……そんなこと考えながら私はベットに横になり天井見上げた。

ガラガラ、と保健室の扉が開く。失礼しますと顔を見なくても日高先生が来てくれたことが分かる。

「斎藤、まだ……寝てますか?」

そんなこと聞いたら起きてるって言えない……私は咄嗟に目を瞑って、じっとする。
先生がカーテンを開けて見に来る

「もう授業終わりなんだけどなぁって言っても起きないか。かなり顔も真っ赤だったしな…斎藤、無理だけはすんなって言ったろ……ちゃんと守れよな」

そう言っていつもと違う優しい触れ方。手を伸ばしてきて髪を避けて、頬に触れてくる……
起きてるって言いたいけど言えないもどかしさで硬直してしまう。すっと、手を引いて肩を叩く。起きろよーってそれに合わせて、今起きたかのように

「……先生?」

「体調はどうだ?」

「だいぶ楽になりました、ありがとうございます」

そう言うと、頭に手をぽんと乗せて昼飯食べてこいってもう動けるかって先生は全部を気にしてくれる。
そんな先生とのこの数分がずっと続いて欲しいって思った