その日の放課後、私がひとり部活に行く前に明日の教科のこと確認してたら先生がまた同じように私の前の席にどかっと座った。

「やっぱり真面目だな。」

「先生は顧問してるサッカー部行かなくていいんですか?」

「お前に言われちゃったか、いや、もう行くよ…お前が何してるか気になっただけ。毎日SHRが終わると必ずそうしてるじゃん?」

「あー…明日の教科確認です。課題の忘れがないかなとか確認してたり。予習するのに家に持ちかえるので最終確認って感じですけど」

先生のかっこいい顔が、私をのぞき込むように見てくるから心ではドキドキが止まらないです。
何気ない行動一つ一つが私の心臓の鼓動を早くする。

「へぇ、真面目なお前らしいな。でも、こん詰めなくていいと思うぞ、引き止めて悪かった。部活頑張ってこい」

…たったそれだけなのに私はあなたのその声と仕草、表情にずっとドキドキしています。
部活に行っても頭の中はさっきの先生のことでいっぱい。絵を描きながら先生は部活に行ったんだろうかってそんなこと考えてる。

「斎藤さん、ずっと上の空だね」

「え、あ…部長…すいません」

「いや、今はコンクールとかもないし大丈夫だけど珍しいなあって思って。」

他の人にも気にされちゃうくらいって私なんなんだろう。こうして、先輩や同級生とは普通に話ができるのに…ま、同性だからかもだけど。
少ない友達、話せる先輩の中で部長は去年部活に入ってからずっと気にかけてくれている。