「おい、早くしろ」

「いや…嘘、ですよね?」

「は?」


何コイツ?って思ってるような鋭い目。

なんだか、この人怖い…


「あなたが私の結婚相手なんて、嘘ですよね?そもそも、私が結婚しなきゃいけないことが嘘ですよね?」


ママに言われたこと

それは、私は知らない人と結婚をしなきゃいけないってこと。


ありえないでしょ?

だって、私…綾崎 みくるはまだ16歳になったばかりだよ?


高校生になったばかりで、これから友達と遊んだり勉強したり…そして、恋愛だってして。

好きな仕事に就く。


そう思っていた。

でも、それができないなんて信じられない…


私の楽しい高校生活をなんだと思ってるんだママはってめっちゃ思うし。


「嘘じゃねぇよ」


そんな夢見る私を無視して平然と嘘じゃないと言ってくるこの男性。

少しは可哀想とは思わないのだろうか。


冷血すぎる、この人…