「さあ、本日は異世界交流の日です。みなさん、準備はよろしくて?」
「「「「はい!」」」」
芽亜里さまの呼びかけに、みんなで元気よく返事する。
四月の最終日の火曜日――ゴールデンウィークに入っているから祝日だけれど、『お嬢さま部』の部員は全員、旧校舎のドレッシングルームにあつまっていた。
女子はそれぞれ、今日のために準備していたドレスで着飾っている。
わたしはピンクのドレスを身にまとい、髪をきれいにセットして、大きな黄色いリボンもつけた。
理央はいつものようにメイド服を着て、グレーのウィッグをつけている。
今日はあいにくの曇り空で、窓から射しこむ光は心許ない。
時計を見れば、あと五分で午後四時だ。
いよいよだよ!
胸が高鳴る。
「あっ……そういえば、奥田先生がまだいらっしゃってませんわね?」
杏奈さまが、戸の方に目を向けた。
えっ、奥田先生って、一年生の国語を担当している先生のこと……?
眼鏡をかけていて、いつも髪はボサボサの、冴えないおじさん……といった感じだけど、ゆったりした話し方が癒しオーラあるということで、意外と生徒人気は高い。
ガラッ!
戸を開けたのは、まさに、その奥田先生だった。
「おっ、間に合ったかな?」
奥田先生は何やら本を抱えて、のっそりと入ってきた。
「「「「はい!」」」」
芽亜里さまの呼びかけに、みんなで元気よく返事する。
四月の最終日の火曜日――ゴールデンウィークに入っているから祝日だけれど、『お嬢さま部』の部員は全員、旧校舎のドレッシングルームにあつまっていた。
女子はそれぞれ、今日のために準備していたドレスで着飾っている。
わたしはピンクのドレスを身にまとい、髪をきれいにセットして、大きな黄色いリボンもつけた。
理央はいつものようにメイド服を着て、グレーのウィッグをつけている。
今日はあいにくの曇り空で、窓から射しこむ光は心許ない。
時計を見れば、あと五分で午後四時だ。
いよいよだよ!
胸が高鳴る。
「あっ……そういえば、奥田先生がまだいらっしゃってませんわね?」
杏奈さまが、戸の方に目を向けた。
えっ、奥田先生って、一年生の国語を担当している先生のこと……?
眼鏡をかけていて、いつも髪はボサボサの、冴えないおじさん……といった感じだけど、ゆったりした話し方が癒しオーラあるということで、意外と生徒人気は高い。
ガラッ!
戸を開けたのは、まさに、その奥田先生だった。
「おっ、間に合ったかな?」
奥田先生は何やら本を抱えて、のっそりと入ってきた。