「こっちは旧校舎でしょ? 入っていいの?」
放課後、わたしと理央くんは、普段使っている校舎の裏側に回りこんでいた。
目的は、『お嬢さま部』入部テストを受けるため!
「いいんじゃない? お嬢さま部の部室はこっちにあるらしいから……。ほら、やっぱりそうだ」
理央くんが指さしたのは、昇降口のドアの張り紙だ。
――『お嬢さま部』入部テスト会場
「じゃあ、ここでいいんだね。でも、なんかこわいね……」
わたしは、理央くんといっしょに、おそるおそる中に入った。
下駄箱のスペースは明かりもなく、真っ暗で、しーんと静まり返っている。
旧校舎は元々、東棟と西棟に分かれていて、老朽化のため取り壊されることになった。建て替えで新校舎が完成したのが三年前。
だけど、なぜか取り壊されたのは西棟のみ。
こうして東棟だけ、ぽつんと残されているんだ。
担任の先生からは「旧校舎には立ち入らないように」って言われたんだよね。
かのんがお姉さんから聞いたところでは、東棟は幽霊が出て、工事を邪魔したから取り壊しをあきらめたのだとか……。
そんな話が頭にあるから、余計にこわい。
どうか、お化けが出ませんように!
「ようこそ、『お嬢さま部』へ!」
「きゃあ!」
突然、暗闇から声をかけられて、びっくり!
わたしは悲鳴をあげて、思わず理央くんの腕にしがみついた。
放課後、わたしと理央くんは、普段使っている校舎の裏側に回りこんでいた。
目的は、『お嬢さま部』入部テストを受けるため!
「いいんじゃない? お嬢さま部の部室はこっちにあるらしいから……。ほら、やっぱりそうだ」
理央くんが指さしたのは、昇降口のドアの張り紙だ。
――『お嬢さま部』入部テスト会場
「じゃあ、ここでいいんだね。でも、なんかこわいね……」
わたしは、理央くんといっしょに、おそるおそる中に入った。
下駄箱のスペースは明かりもなく、真っ暗で、しーんと静まり返っている。
旧校舎は元々、東棟と西棟に分かれていて、老朽化のため取り壊されることになった。建て替えで新校舎が完成したのが三年前。
だけど、なぜか取り壊されたのは西棟のみ。
こうして東棟だけ、ぽつんと残されているんだ。
担任の先生からは「旧校舎には立ち入らないように」って言われたんだよね。
かのんがお姉さんから聞いたところでは、東棟は幽霊が出て、工事を邪魔したから取り壊しをあきらめたのだとか……。
そんな話が頭にあるから、余計にこわい。
どうか、お化けが出ませんように!
「ようこそ、『お嬢さま部』へ!」
「きゃあ!」
突然、暗闇から声をかけられて、びっくり!
わたしは悲鳴をあげて、思わず理央くんの腕にしがみついた。