「舞……」


 立ち止まったわたしに気づいて、舞も足を止めた。


「ん……?」


 わたしは、まじまじと舞の制服姿を見つめて、
「舞、スゴ~くかわいいよ。その制服、とっても似合ってる」

「どうしたの、急に……?」


 目を丸くする舞。


「そういえば言ってなかったと思ってさ。でも、お世辞でも何でもなくて、これはわたしの本心だよ」

「あ、ありがと。桜子もセーラー服、似合ってるわよ」

「ありがとう」


 わたしは、ニコッとほほ笑んだ。


「テスト終わったらさ、ふたりでどこかに遊びに行こうよ」

「えっ……?」

「わたし、これ以上、舞と心が離れていくのはイヤなんだ。だから、無理やりにでも連れ出すわよ。覚悟してよね」

「…………」


 呆気(あっけ)にとられたようにわたしを見つめていた舞が、ぷっと吹きだした。


「どうしたの、桜子ったら。なんだか雰囲気が変わったみたい」

「そりゃそうよ。人は成長していく生き物だもの」


 わたしたちは笑い合って、肩を寄せ合い、また歩きだす。


「……ありがとう、桜子。正直なところ、わたしも寂しかったのよ。桜子と違う道を進んでしまったような気がして……。もう昔みたいには戻れないのかと思ってた……」

「なに言ってんの。わたしたち、幼なじみでしょ」