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やっっっってしまった……………。
帰宅後、私は、
自分の行動を振り返って、かなり後悔していた。
せっかく試合によんでくれて、
観に行くって約束しておいて…
なんとなく怖くなったから、とか勝手な理由で、
途中で投げ出して帰るなんて………。
…酷い。酷すぎる。
思い返しても、私の態度、最悪だったし。
このままじゃ、真澄くんに合わせる顔がない。
次会うときに、謝らなきゃ……。
でも、なんて言ったらいいの…?
それに、中々会えないのに、どうやって謝ればいい?
……1人で考えても答えが出ない。
こんなとき、相談できる相手は——...
「あのねぇ、栞………。
あること、を言われて怖くなったって。
その、あることを聞かなきゃわかんないじゃん!
…ま、まさか。純くんに恐喝されたとか!?」
「ち、ちがうよ!そういう怖いじゃなくて…」
——土曜日の夜、
『相談がある』と連絡すると、
『明日は丁度暇している』と言ってくれた凛。
だから、翌日に私の部屋に招き、昨日の出来事を伝えた。
のだけど……。
なんとなく言いにくくて、
肝心な部分については、
『真澄くんに[あること]を言われて怖くなって逃げた』と濁した。
……そのせいで、
真澄くんが私に対してすごく酷い事を言った、みたいな
とんでもない誤認を与えてしまった。
「…そうじゃなくて。きっと真澄くんは……」
あの時、真澄くんが言いたかったのは、つまり…
つまり………
…つま、り…………?
『わかるんですよ。栞さんがおるってことだけは、絶対。栞さんの応援だけが欲しいんです。
やから、頑張れって言ってくれませんか』
「…つまり……だから……えーと……。
私に、応援してほしい……
みたいな………?」
「それのどこが怖いってのよ!」
「うっ……だ、だって………!!
その時は熱が……いや、表情が……えっと……あれぇ?」
んん……?思い返せば、
応援してほしいとしか言われてないような……。
それでも、あの瞳を見ていると…
自分の中の大事なものが折れて、
何かを失ってしまいそうな気がして、怖くなったんだ。
…ほんと、なんでそう思ったんだろう。