真澄くんの目を見続けられず、視線を逸らす。
気づけば魔法の時間は終わっていて、
空はすっかり青黒い夜に包まれていた。
さっきから冷たい風が、
何度も肌をかすめている。
…ちょっと寒くなってきたな。
急に、ゴォーっという音ともに、
赤や黄の落葉を舞い上げるほどの強い風が通る。
「わっ、真澄くん…そろそろ…
「俺だけがよかった」
「えっ?ごめん、なんて…」
視線を真澄くんに戻す。
どことなく熱を帯びている瞳とぶつかる。
殴られたような衝撃が走り、
胸の真ん中が痛い。
なんだろう、この感覚。
「栞さん」
「う、うん…?」
「すんません、俺………。
もう、我慢できる自信ないです。
今だって、自分を抑えるの必死なんで」