『真澄くん、お疲れさま。
よければ北海道のお土産渡したいんだけど、
次の木曜日の練習終わりって予定ある?』
帰宅後、家族にお土産を渡し、
荷解きの前に真澄くんへLINKを送る。
所属している美術部は、毎日活動を行うわけではない。
南条祭前など、特別な期間を除いて、
毎週火曜と金曜のみ。
次の登校日は、ちょうど活動のない木曜日。
私が先に帰ってお土産をとって、
もう一度学校付近に向かえば、
丁度良い時間となるはずだ。
さ。荷解き始めるか…
と、キャリーケースに手をかけた直後。
ヴーッとスマホが鳴る。
真澄くんからの通知だ。
めちゃくちゃ早いな。
『もゆ よ』
え、暗号?
映し出された謎の3文字。
何度見返しても意味がわからない。
もしかして…今忙しいのかな?
返信難しければ、いそがないから大丈夫って返すか。
指を動かそうとしたところ、もう一度通知が。
『すんません!打ち間違えました!』
そうなの?
…何を打とうとしたら、あれになるんだろう。
『お帰りなさい、お土産嬉しいです。
木曜日でもいつでも何時まででも大丈夫です!
よろしくお願いします!!」
よかった。
…思ったよりも、いい反応だな。
『じゃあ、木曜日。
学校近くの丸丸公園で待ってるね。
あ、場所わからなければ言ってね。』
待ち合わせ場所も決まり、
無事に、お土産を渡す手筈は整った。
喜んでくれるといいな。