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翌日。いよいよ始まった南条祭。

派手に飾り付けられた校門、校内、グラウンドや体育館…
どこをとっても、普段の学校と同じ場所とは思えない。

この日だけは、髪型もメイクも、派手すぎなければ自由となる。
誰も彼も浮き足立っており、
なんだか見てるだけでワクワクする。


4人で回るために、(田中 栞)たちは同じ時間が店番となるよう調整した。

その結果、午前中に店番をすることになった。
私は調理担当。売れ行きが好調で嬉しい。
凛の元気な客引きは、集客に大きく貢献していた。


「ねー、栞。
流星くんと純くんのクラス…
コスプレ喫茶なんだよね」

客足が途絶えている間に、凛が休憩にきた。


「うん…。2人のコスプレなんて、想像もつかないね。ちょっと見たかったカモ」

「あーー!くやしーー!見たすぎるよーー!」

自称イケメンハンターが手足をバタバタとさせ、悶えている。


「はあ。しっかし、うまいこと考えるよね。
確かに、あんなイケメン二大巨頭がいるクラス、売りにして行かなきゃ損だもん。絶対、優勝候補でしょ」

「そもそも"職業コスプレ"って、コンセプトも面白いもんね」


「ってか、目玉の二人が同時に抜けるなんて、大丈夫なのかな?私だったら許さないけど」

「あー…流星から聞いたんだけど…すごく抗議されたって…」

「だよね?じゃ、どうしたの?」

「…"文句言うならコスプレなんてしない"って言ったんだって。
真澄くんにも白羽の矢が立ったみたいだけど、笑顔でやんわりと同じようなこと言ってたって」

「あーね。誰も逆らえんわ、それは」


少しずつ客足が戻り、
私は、定められた時間まで必死にチヂミを焼いた。