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2ゲームあるので、
とりあえず1ゲーム目は練習、ということになった。
「公平性を保つためにさ、
お互い、1投目は女子、2投目は男子が投げよう!」
……なんて。
謎のやる気に満ち溢れている凛が、ルールまで定め、
だんだんと、ただの遊びではなくなってきている。
うーん。
さっき、無駄に熱い論争が繰り広げられてる中で、言い出せなかったけど………
私、
ボーリングなんて、ほとんど経験ない。
試しに投げてみる。
ガターにイン。
気を取り直して次。
ガター…………
吊り下げられた液晶に表示されているスコアボードに、
哀しくも[G]の文字が定期的に配置される。
しかし。驚くことに……
[G]の隣には、
[◀︎]のマークが並んでいる。
「流星、めちゃくちゃ上手だね!?
そんなに得意だったの?」
「んー。今、やる気でてっから。
…もっと褒めて?」
「こんな特技があったなんて、本当にすごい!かっこいーよ!」
パチパチと手を叩いたら「褒め方がガキ」と貶された。けど、その顔は嬉しそうだ。
こんなに生き生きとしている流星を見たのは、久しぶりな気がする。