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うーん、どうしよう。
自動販売機前で真澄くんと会った後、
教室に戻った私は、
凛に謝罪の上、昨日からの出来事を全て話した。
…いや、正確には、自白に追い込まれた。
あの時の凛は、まさに取調室にいる警察官のような威圧感があった。
渡り廊下で声をかけられたこと
体験入部に来てくれたこと
そして、さっき連絡先を聞かれたこと…
それらを話すと、凛は驚きつつも、
終始「なぜすぐに話してくれなかったのか」と不満を述べていた。
そして…
「罰として、真澄くんと会う機会を設けて欲しい。」
「学校内じゃなくてもいい。」
「なんなら、休日、学校外で会う約束を取り付けよう!」
「善は急げで、次の土曜日にしよう!!」
「女2人男1人じゃ可哀想だから、流星くんも誘おう!!!」
「イケメンとハイタッチがしたいから、ボウリングにしよう。」
…という具合に、あれよあれよと話を進められ。
「結果はどうあれ、流星と真澄くんに、必ずや声をかけるように」との使命を課せられてしまった。
断るだろうと期待して、
まずは帰りに流星に声をかけてみた。が…
すっっっごい嫌そうな顔したのに、
期待を裏切って「行く。」って言うし…
もう後には引けないから、
真澄くんを誘うしかないんだけど…
果たして連絡はくるだろうか。
向こうからしたら用事ないもんね…。
【無闇に他学年のフロアに訪れてはいけない】から、
どうしても用がある時は、先生に申請して行く必要がある。
…やましいことはないとはいえ、
ボウリングに誘います!!なんて申請できない。
普段、流星でさえ、学校内ではあんまり見かけない。
だから真澄くんと、偶然、それに都合よく会えるとは思えない。