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『真澄です。よろしくお願いします。』

んー、シンプルでええけど、
返事困るよな、絶対。


帰宅した(真澄 純)は、
着替えもせんと自室に引きこもって、
手中にある長方形の電子機器と対峙中。


連絡先は聞けた。
メモなんかせんくても、忘れるわけない。

…けど、何を送れぱいいかがわからん。
え、もう1時間も経ってるやん。


『こんばんは。今日の夕飯は焼き魚です。栞さんは…』

いや、いきなり何の話やねん。
興味ないやろ、俺の晩飯。


『真澄です。本日購入した青汁ですが、スッキリとした後味で、豊富な食物繊維を感じることができ…』

いやいや。これやとただの青汁オタクやん。
もっと困るやろ、返事。


『真澄です。今度の土曜日デートしてくれませんか?』

…そんなん送れるんやったら、こんな苦労はせん!


はぁ。自分の不慣れさにため息が出る。
1人でツッコミ入れて、何やっとんねん俺は。


ラチがあかんと思った俺は、
大阪の、やたらモテる友達に相談することにした。


『なあ。気になっとる人に、最初に連絡するときさ、なに書いたらええ思う?』

藁にもすがる思いや。
祈るように送信すると、秒速で既読がつく。
それから1分も経たずして通知が…


『アホー!そんなん悩まんと、黙って押し倒せばええんや!!!』

できるか、そんなん!
アホはどっちやねん!