「──というわけなんです。大丈夫でしょうかこの人」




数分後。


とりあえずそのへんに落ちていた枝を拾ってつんつんつついてみるなどしたけれど、倒れている男子生徒は全く目覚ましそうになかったので、私は急いで保健室へ助けを求めに行った。


そして、引っ張り出した真面目そうな若い男性養護教諭に一生懸命状況を説明したところだ。


何かの持病だったらまずいのではないかと不安だったけれど、先生は倒れている男子生徒の顔を確認するなり「ああ、やっぱりな」と納得したように肩をすくめた。

そして、彼の肩をポンポンと叩きながら言う。




「こいつ、こうやって倒れるの今年に入ってもう5回目なんだよな」


「5回!? やばいんじゃないですかそれ」


「病気とかじゃないからまあそこは大丈夫だ。保健室まで運ぶのも面倒だし、目覚めるまでここで寝ててもらうか」


「そんな雑な……保健室まで運ぶの、手伝いますよ?」