「それだと川咲と一緒に乗れないじゃないか」


「? まあ、そうなるでしょうけど」





その言い方だと、私と一緒に乗りたいみたいでは。


発言の真意を考えてみる。

……あれか。電車慣れしてる人と一緒じゃなきゃ乗れないってことか。

くっ、箱入りめ。




「それで、今からどうする? もう一度電車に乗ればいいのか?」


「えーっと、そうですね……」




加賀見先輩に聞かれて、私は慌ててスマホを出した。


この駅の近くにもファミレスぐらいないだろうかと思って地図調べてみる。



「あっ」




残念ながら良さげなファミレスはなさそうだけど……それとはまた別に、とても良い場所を見つけた。


ファミレスでさえ経験のない加賀見先輩のことだ。ここだって行ったことないに決まっている。




「先輩、ファミレスはまた次の機会に。別の庶民的遊び場、興味ありません?」