というかちょっと待て。

私、毎日この制服着ながら電車乗ってますけど、誰も目もくれないじゃないですか。皆さん本当にイケメンが好きだな!!




「ねえ、ダメ元で話しかけてみない?」


「え〜、本気? 逆ナンみたいじゃない?」


「だって気になるじゃん? 皆で行けば怖くないって!」


「まーね。じゃあ誰が最初に声掛ける役するかジャンケンしよ」




そしていったい、何がどうなってそんな話になったのか。

女子高生のグループは、キャッキャとジャンケンで盛り上がりはじめた。


……これはまずい気がする。


数えたところ、6人に及ぶ大所帯の女子高生グループ。

こんな逃げ場のない空間で、この人数に囲まれたりしたら……


私はちらりと先輩の顔を見る。

案の定、先輩も女子高生たちのやり取りが聞こえていたらしく、表情が険しくなってきている。




「先輩、ここで降りますよ」


「降りると言っていたのはもう二駅ほど先じゃなかったか?」


「それどころじゃないんでしょ!? こんなところで倒れられるわけにはいかないんです!!」