「そうだな……」
天ヶ瀬は俺の問いかけに腕を組んで考え込む。
「とりあえずキスやそれ以上は完全アウト」
「……それはさすがの俺もわかる」
「抱きしめるのとかは微妙な線だよね。かなり仲が良かったら、状況によってはセーフかな」
「判断が難しいな」
「まあ、それ言い始めたら全部親密度と状況によるんだけど。部屋で二人きりになるのだって、学校の教室みたいに公の場だったらいいけど、自分の部屋みたいな閉ざされた場所は嫌とかもあるだろうし。やっぱり嫌かどうか先に確認するのが無難だろうね」
「そうか……」
天ヶ瀬でもそういう答えになるのなら、やはりそれしかないのだろう。
「ちなみに天ヶ瀬は、普段恋人とどういうことをするんだ?」
俺はため息をついてから、興味本位でそんなことを聞く。
すると天ヶ瀬は嬉しそうに口角を上げた。
「それはR18的な方向の質問?」
「は?」
「そりゃ基本は部屋に連れ込んで押し倒して……」
「待て違う。健全な方向の質問だ」