「でも何にせよ、お前が女性恐怖症を治そうと努力してくれるのは嬉しいよ。いつまでも僕にばっかり頼られてたら、また不本意な噂流されかねないし」


「天ヶ瀬と俺が実は付き合ってるってやつか？」


「そう。僕には愛する彼女がいるんだから大迷惑」


「そうだったな」




絵に描いたような女たらしなくせに意外だが、こいつはその年上の彼女へ長い間片思いし続けていたそうだ。一年ほど前にやっと射止めたのだとか。


何にせよ、俺に比べて色々と詳しいのは間違いない。




「なあ天ヶ瀬。恋人ではないただの女友達には、どれぐらいまでしても許されるんだ？」


「どれぐらいって？」


「川咲は、手を繋いだり部屋で二人で過ごすぐらいのことなら友達でもすると言っていた。なら逆に、どういうことなら友達とはしないのだろうか」




その辺りの距離感を見誤って、彼女から反感を買うことは避けたい。

せっかく見つけた貴重な協力相手なのだから。