「普段あまり関われない人と仲良くなる貴重な機会。皆将来のために縁を繋ごうと必死になるんだよな」
「何かこう……ものすごーく面倒くさそうな香りがするんですけれども……」
「まあそう言うな。新しい友人ができたらラッキーぐらいの気持ちで気楽に臨めばいい。去年も一昨年も有意義な時間になったから、俺は今年も楽しみにして……たのしみに……」
穏やかにしゃべっていたはずの加賀見先輩の表情がにわかに曇った。
回復していたはずの顔色が、先ほどよりもさらに青白くなっていく。
「挨拶を交わしたことがあるかも怪しい女子が……次から次へと近付いてきて……ちょっと休憩しようと席を離れてもまたすぐ見つけてきて……どこまで逃げても追いかけてきて……うっ」
「せ、先輩?」
「おかしいな、過去のお茶会のこと思い出すと何故か気持ち悪く……」
「ちょ、こんなところで吐かないでくださいね!? 落ち着いて! 水飲んでください水!」