確かにこの学校には最高の設備が整っている。

日当たりの良いカフェテリアに、蔵書が充実した図書館。コーヒーの飲める自習室。


だけど、そういった設備を使う順番には、権力のある家の子から優先という暗黙のルールがある。


特待生枠のド庶民なんてカースト底辺もいいところだ。



さらに、お金持ちのお嬢様方とは価値観が合わないから、友達を作りも難航している。

それどころか、特待生というだけで軽んじて見られるのか、当然のように雑用を押し付けられるなんてこともしばしば。


またまたそれに加えて、特待生枠学費減額の条件は、成績を10位以内に保つこと。



……あはは、やっぱ今からでも転校を検討した方が良いのかも。




「どこ行こうかな。図書館……は人いっぱいだろうな」




私はぶつぶつ呟きながら頭を悩ませる。

自習室もあるにはあるけれど、そんなの名ばかりで、実際は生徒たちの憩いの場というか楽しい雑談スペースになっていることだろう。