「いや、だけど……同年代の女子がここまで近づいて、震えもめまいも冷や汗も出てこないなんてこと……」 「何? 何の話ですか?」 「俺は……」 加賀見先輩は躊躇うように視線をさまよわせる。 だけどやがて、何かを決意したようにぐっと唇を結んだ。 「……川咲瀬那。あんたに折り入って頼みたいことがある」