『本当に削除しますか?』 という表示が、私の心を抉る。 削除した写真は、もう戻らない。 彼との思い出も、きっと。 ああ、ぜんぶ、消してしまった。 残っているのは、誰も写っていない、風景の写真だけだった。 それが妙に悲壮感を漂わせていて。 だけど、それと同時にラムネを開けたときのようなシュワっとした爽快感を感じた。