涙が零れないように必死に歯を食いしばって上を見上げる。
だけどそこには清々しいくらい真っ青な空しかなくて。
まるで私を嘲笑っているかのようで。
余計に、泣きたくなった。
こんなとき、かっこいい男の子が助けてくれたらなあ、なんて少女漫画にありがちな妄想をする。
まあ、あるわけない、か。
現実はそんなに甘くない、よね。
夏は、大好きだけど、大嫌いだ。
皮肉にも、私の名前には"夏"の文字。
夏に生まれたからっていう、すごくすごく、単純な理由。
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