気づいたら、走っていて。 いつの間にか、校門を出ていて。 周囲からの視線が痛くて。 夏休みの前日の、授業が午前中で終わって、ふたりで夏休みなにしようかな、って考える帰り道が好きだった。 でも、そんな夏はもう、やって来ない。 ねえ、なんで。 なんで視界がぼやけるんだろう。 あっさり別れを了承したのに、なんで涙が浮かぶんだろう。