「……おい、佐藤美沙。誰が帰っていいと言った?」
エントランスに響くバリトンの声に驚いた美沙は、ゆっくりとゲートの方を振り返った。
「西郷CEO! おつかれさまです! 俺、営業部の加賀翔太です」
美沙の手をパッと離し、西郷に駆け寄りお辞儀をする翔太を無視し、西郷はツカツカと美沙に向かって歩く。
「今日中の仕事がある」
「は、はい。すみません、戻ります」
西郷は溜息をつきながらゲートを再びくぐり社内へ。
秘書の夏目に続いて美沙も再びゲートをくぐった。
エレベーターに乗るとなぜか地下へ。
夏目が車の後ろの席のドアを開けると、西郷は「早く乗れ」と美沙に指示を出した。
「……え? 今から接待……ですか?」
「いいから乗れ」
わけが分からないまま車に乗ると隣に西郷が乗り、夏目が運転席に。
「美沙さん、マンションまで送りますね」
「あの、今日中の仕事は?」
美沙の質問に答えることなく車は走り出し、地下駐車場から地上へ。
帰宅中の社員たちからはきっとこのスモークのせいで私が車の中に乗っているとはわからない。
駅方面に歩いている翔太にも。
……もしかして翔太から助けてくれたの……?
エントランスに響くバリトンの声に驚いた美沙は、ゆっくりとゲートの方を振り返った。
「西郷CEO! おつかれさまです! 俺、営業部の加賀翔太です」
美沙の手をパッと離し、西郷に駆け寄りお辞儀をする翔太を無視し、西郷はツカツカと美沙に向かって歩く。
「今日中の仕事がある」
「は、はい。すみません、戻ります」
西郷は溜息をつきながらゲートを再びくぐり社内へ。
秘書の夏目に続いて美沙も再びゲートをくぐった。
エレベーターに乗るとなぜか地下へ。
夏目が車の後ろの席のドアを開けると、西郷は「早く乗れ」と美沙に指示を出した。
「……え? 今から接待……ですか?」
「いいから乗れ」
わけが分からないまま車に乗ると隣に西郷が乗り、夏目が運転席に。
「美沙さん、マンションまで送りますね」
「あの、今日中の仕事は?」
美沙の質問に答えることなく車は走り出し、地下駐車場から地上へ。
帰宅中の社員たちからはきっとこのスモークのせいで私が車の中に乗っているとはわからない。
駅方面に歩いている翔太にも。
……もしかして翔太から助けてくれたの……?